旧いABUのメンテナンス

旧いABU社製リールのメンテナンスのために

私たちはどんな道具であれ全ての道具は使用後のメンテナンスが重要だと考えています。

 私達がいまだに使い続けている旧い ABU のリールは、比較的新しいものでも2018年現在、生産から既に40年近く経過しています。使用後或いは保管においても、維持管理はとりわけ大事な作業です。
メンテナンスといっても、簡単なことから、完全分解まで、様々な段階が考えられます。(詳細は、少しづつ項目を増やす等してお伝えしたいと考えていましたが・・・・・)
いづれにしても「分解」には図面(部品図・パーツリストと言われるもの)が必要です。これまでも「分解はしたけれど、組み立てが出来なくなった。」或いは「組み立て完了のはずなのに、部品が残ってしまった。」と言われ、拝見させて頂いたリールは数知れません。この中には、お手元に部品図があってもこのようになってしまった方さえいらっしゃいましたので、部品図があれば全てよしとは言えないようですが、やはり部品図は分解・組立作業には必需品だと思います。
そこで、ABUMAN’s WEB では私たちの手持ちの部品図を公開しています。しかし、多数あるためにすぐには処理しきれませんので、全部掲載完了するまでは今しばらく時間がかかると思います。
もし、まだ「組立図面掲示場」内に掲載のないリール等の部品図をお探しの場合は「問い合わせ」からお問い合わせ下さい。私達の手元には、概ね1985年くらいまでに製造された以下のモデルの部品図が存在しますので、ご参考まで。
  • ABU : 333, 444A, 501, 503, 505, 506, 506M, 507, 508, 520, 2100, 3000
  • ABU-Matic : 40, 60, 70, 80, 110, 120, 140, 141, 145, 150, 160, 170, 220, 270, 280, 290, 320, 330, 350, 440
  • アンバサダー : 12, 20, 30, 1750A, 2500C, 4500C, 4500CB, 4600AL, 4600CB, 4600CB, 5000, 5000AL, 5000B, 5000C, 5000CDL, 5000D, 5000DL, 5001C, 5500, 5500C, 5500CA, 5500D, 5500DA, 5600A, 5600AL, 5600C, 5600CA, 5600CDL, 6000, 6000C, 6500, 6500A, 6500C, 6500CA, 6600C, 7000, 7000C, 8000C, 8500, 9000, 9000C, 10000C
  • カーディナル : 3, 4, 4X, 6, 6X, 7, 7X, 33, 40, 40A, 44, 44eXpress, 44X, 60, 60A, 66, 66X, 70, 70A, 77, 77X, 354, 355, 52, 54, 55, 57, 140, 152, 154, 155, 157, 160
  • フライリール : RECORD Standard, DELTA3, DELTA5, Diplomat156, Diplomat178
  • レコード : 700 etc

これ以外にも若干はあるようですが、概ね上記のとおりです。なお、中には複数の年度のものが存在する場合も多数ありますので、特にご希望があれば併せてお知らせ下さい。

部品をお探しの方へ

 1997年10月、私達のこのHPは 「ABU-Matic」を見直して欲しい・もっと評価して欲しい・良い道具だから という思いからスタートしました。
私達は永くアブマチックを使い続けたいと思っていましたので、HP活動を始める以前(1980年頃)より補修用部品を個人的に集めていました。当時の輸入販売元さんでは既に部品がなく 修理不能(修理中止取扱) となるものが出始めていたのがきっかけでした。インターネットなどない時代ではありましたが良い縁に恵まれ必要としている部品が徐々に揃うようになったんです。長くお世話になっていた特約店さんのご主人からの依頼で 当時の輸入販売元さんに交換部品がなく修理不能で戻ってきたリール を修理したこともありました。
しかし、このHP(以前のURL時代も含めて)を始めて以来、部品を必要とする皆さんからのお問合せにお応えしてきた結果、現在ではボディ等の大物部品は非常に数が少なくなってしまい、消耗品となる部分の部品についてもご希望が多かったために手持ちが少なくなってしまいました。そもそもが私達が自身のリールを維持するために部品を購入してきたわけですので、私たちが道具を使う限りそのメンテナンスに必要なものは手元に残さなくてはなりません。
現在ではお分けできる部品が少なくなってきてしまいましたので、お問い合わせ戴きましてもお応えできない場合が多々あるものとご理解下さい。それでも、どうしてもとおっしゃる方は、「問い合わせ」から問い合わせてみてください。可能な限り対応させて頂きたいと思っています。

メンテナンスに利用しているオイル・グリス等

現在、どんなオイル・グリスを使用してメンテナンスしているのか? この点についてはこれまでも非常に多くの問い合わせを頂きました。
当然ですが、かつて使用していたオイル・グリスと、現在、使用しているものとは異なります。
私達の使用する釣り道具(リール)は古いものばかりですし、おまけに使用するモデルも少なく、それら以外のリールに使用して問題が生じないのかどうか? 等は一切検証などしていませんので全く分かりません。そういった事情もあって、メンテナンス担当者としては具体的な商品名は挙げたくないとのことですので、以下には現在まで使用しているオイル・グリスを選定した際の考え方のみ記します。

 1 同じメーカーの製品であること
 2 メーカーが製品内容、性質/特徴等を明示していること
 3 樹脂を傷めることのないものであること
 4 無理せずに入手可能なこと

まぁ しごく当たり前のことばかりでした。
その上で、最終的には現物を確認した上で利用を決めたものです。
以前、樹脂部品が変形したとのことで交換部品の問い合わせを頂いたことがあります。ケミカル製品の問題なのかどうかははっきりしませんでしたが、中には樹脂製品に影響するオイル等もあるようなので上記3くらいは気に留めておく必要はあるのかもしれません。
なお、私達の場合はオイル・グリスによる性能アップのようなものは全く求めていません。比較的、分解メンテナンス頻度が高いのではないか? ということもあって、特殊なオイル・グリスを使用してはいません。

現在、使用しているオイル・グリスは海外メーカー製のもので、「釣り具用に」とされているわけではありませんが、樹脂・プラスティックなどに使用しても問題ないと明記されているものです。
オイル・グリスのどちらも昔ながらのタイプで、冬場などはそこそこ硬くなります。しっかりとしたタイプのグリスを利用している場合は、ゴミや削れた金属カスのようなものもそこに溜まってしまいがちのようです。時々はメンテナンスして交換を行うのが良いのではないかと考えます。

このようなオイル・グリスでも、私達の使う古いリールでは問題は生じていませんが、最新の釣り道具には合わないもの・基準かも知れません。ご注意下さい。
<2018年12月10日ブログ記事より転記(一部加筆)>