Cardinal 77 メンテナンス・部品交換

ABU Cardinal 77　がメンテナンスに来ました。

今回のリールは、1970年以前の 00 ロットのモデルです。

製造後50年以上ですので仕方がありませんが、いくつか修理が必要な状態でした。

修理等が必要なのは
　１　ブレーキノブ（ドラグダイヤル）の傷み
　２　コネクティングリンクホルダーの破損
　３　２周辺部品の破損
　４　ベイルプレートの破損
が見つかりました。

１　は以前の ABU Cardinal 66 と同じです。

２及び３　は写真のとおりです。
左側が破損している部品、右側が交換用の新品部品。

Parts No. 8631 Holder for connecting link　の破損は比較的良くあるもののようです。これまで何度となく作業を行いました。破断の原因は、樹脂部分の収縮のように思われます。未使用の保管部品の中にも同様の破断が発生している物があります（写真下）。
今回のリールでは、この破断の影響で Parts No.8669 Washer が切断されるほど変形したみたいです。

破断した Parts No. 8631 は金属部分があれば再生可能です。また、全く別の素材で部品を作成することも可能ですので、保管部品が底をついても、私達が生きている間くらいは問題なく使用できるんじゃないかと思っています。
破断のある未使用の保管部品も修正して利用します。

４　については以下の写真をご覧下さい。

この写真だけ、明るさ・コントラストを弄っています。ベイルアームが組み込まれている部分に亀裂があるのが見えますでしょうか？　これも割と良く見られる破損です。
この写真にある初期の Parts No.8620 Bail plate は樹脂製なので、キャスティング時にベイルアームを前方へ倒すための力が負担になったのかも知れません。その後、この部品は Parts No.8734 Bail plate になり、金属製に変わっています。

写真左側が Parts No.8620 で、右側が Parts No.8734 です。
所有者はこれからも使い続けるということなので、今回は金属製の Parts No.8734 に交換するとしましょうか。

これで、この 77 も更に50年生きられるでしょう？

（以下　追記）
※　通常のメンテナンス作業（完全分解・組み直し等）も行ったそうです。

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